介護施設 事務長の1日|現場で実際に起きている仕事とは

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介護施設 事務長の1日

介護施設の事務長というと、「事務作業をしている人」というイメージを持たれるかもしれません。

しかし実際には、会計・労務・設備・行政対応・システム関係など、多岐にわたる業務を同時進行で進めています。

あなたの施設の事務長は、今日も似たような1日を過ごしているかもしれません。

9:00~10:00 朝礼・設備トラブル対応・勤怠確認

・朝礼

各部署の職員が集まり、連絡事項や共有事項の確認を行います。

事務長は司会進行を担当することも多く、施設全体の状況を把握する時間でもあります。

ただ、この日の朝礼は少し長引きました。前日の夜勤帯で利用者が転倒し、家族への報告対応が朝まで続いていたため、現場の空気が重かったのです。そういう日は、朝礼の「場の空気」を整えることも、事務長の役割のひとつになります。

・温水ヒーター配管の水漏れ対応

朝礼後すぐ、宿直者から

「温水ヒーターの配管から水漏れしている」

との報告を受けます。

高齢者施設では、お湯が止まると入浴や厨房業務にも影響が出るため、早急な確認が必要です。

まずは貯湯槽の温度に影響が出ていないか確認し、温水ヒーター管理会社の元請け会社へ連絡。元々、当初予算で工事予定だった案件のため、見積金額に変更がないかも確認します。

もし当初予算を超える場合、理事会への申請や稟議書作成が必要になるため、設備対応と同時に事務処理の準備も進めます。

「設備のことは事務長に聞けばわかる」と思われているのが現場の実態です。電気・水道・空調・福祉用具……専門業者でもないのに、です。

・勤怠集計・給与計算

給与支払日が近いため、勤怠集計を進めます。

現在、事務員1名が育休中のため、労務業務も兼務しています。

給与支払日は毎月25日(土日祝の場合は前倒し)ですが、銀行によっては3営業日前までに振込データを作成することで、振込手数料を抑えられる場合があります。そのため、なるべく早めに給与計算を終えられるよう意識しています。

この日は、パート職員1名の勤務区分の入力ミスが発覚。本人に確認を取ると「シフト表と違う日に入っていた」とのこと。現場リーダーへの確認も含め、修正に30分ほどかかりました。こうした小さなズレが積み重なると、給与計算は思った以上に時間を取られます。

10:00~12:30 稟議書作成・決算関係資料の修正

・稟議書作成

理事会が近いため、規程改訂に伴う新旧対照表をWordで作成します。

また、当初予算より金額が上がってしまった大口リース契約について、追加の説明資料や稟議書を作成します。

介護施設では、

予算内か

固定資産に該当するか

理事会承認が必要か

など、金額だけでなく手続面の確認も重要になります。

理事長から「前回の理事会で話した内容と少し違う気がするが」と連絡が入ったのはこの時間帯。資料を見返し、経緯を説明するメールを作成しながら、稟議書の修正も並行して進めます。管理職の方なら分かると思いますが、「なぜこうなったか」の説明資料を作ることは、本来の業務以上に時間がかかることがあります。

・決算稟議書の修正

決算書類作成後は、法人本部担当者によるチェックがあります。修正事項があれば連絡が来るため、その都度対応します。

事業報告書・契約内容・会計処理の整合性も確認しながら進めるため、想像以上に時間がかかる業務です。

12:30~13:30 休憩

・休憩時間。

場合によっては内線PHSを持って休憩に入ることもありますが、基本的には電源を切り、しっかり休むようにしています。

この日は珍しく誰にも呼ばれず、食堂の片隅でゆっくり昼食を取れました。介護施設では突発対応が多いからこそ、「何もなかった昼休み」が妙に印象に残ることがあります。

13:30~15:30 システム説明会・運用確認

・Zoom説明会の準備

他事業所向けの「ケアプランデータ連携システム」説明会へ同席するため、Zoom設営や接続準備を行います。

システム運用の打ち合わせ

説明会終了後、実際にどのような運用を行うか、関係部署職員と打ち合わせを行います。

現場からは「また新しいシステムですか…」という声も出ました。気持ちは分かります。ただ、国が推進している以上、対応しないわけにはいきません。「なぜ必要か」を現場に丁寧に説明することも、管理側の仕事です。

介護施設では、システムを導入するだけでなく、「現場運用に落とし込めるか」という視点が非常に重要です。

15:30~16:00 CSV出力トラブル対応

現在使用している介護記録ソフトから、連携システムへ取り込むためのCSVデータ出力方法を確認します。

しかし、マニュアルを確認しても上手くいかず、最終的にソフト会社へ問い合わせ。

結果として、「導入時の初期設定が未完了だった」と説明を受けました。

施設運営では、

設定済みだと思っていた

前任者しか分からない

業者側の設定漏れ

といった問題が発生することは珍しくありません。

「誰も悪くないのに、誰かが対応しなければならない」状況が生まれるのも、この仕事の特徴です。すぐ解決できない案件は一旦保留にし、優先順位を整理しながら進めていきます。

16:00~16:30 厨房機器故障対応

栄養課から、「ミキサー食を作る機械が故障した」との報告。

ミキサー食は嚥下機能が低下した利用者に必要なため、長期間止めることができません。

急ぎ発注が必要なため、予算外固定資産取得申請用の稟議書を作成します。

「事務長、ちょっといいですか」という声かけが、この日だけで何回あったでしょう。設備・厨房機器・介護用品・人間関係の相談まで、事務長には”なんでも相談”が集まります。

16:30~18:00 事業報告書修正・整合性確認

法人本部から修正要請があった箇所について、事業報告書を編集します。

事業報告書では、

・該当年度の契約事項

・固定資産取得

・高額修繕費

・会計ソフト上の処理内容

・固定資産管理台帳

などを横断的に確認する必要があります。

「契約内容と会計処理が一致しているか」「固定資産計上の内容に誤りがないか」を、本部担当者とダブルチェック形式で確認していきます。1つの修正にも時間がかかることがあります。

退勤は18時を少し過ぎたころ。残業申請を上げながら、翌日のタスクをメモに書き出して、ようやく席を立ちました。

まとめ

介護施設の事務長の仕事は、単なる事務作業ではありません。

会計・労務・設備・システム・行政対応など、幅広い分野を同時進行で管理しながら、現場で発生する突発対応にも対応していく必要があります。

また、「これが自分の担当業務」と線引きしづらい仕事でもあり、最終的に事務部門へ相談が集まるケースも少なくありません。

大変な仕事ではありますが、その分、施設全体を支えている実感を持てる仕事でもあります。

あなたの施設では、事務長(または管理部門)にどこまでの役割を担ってもらっていますか?

「うちも同じだ」「うちはここが違う」という声があれば、ぜひコメントで教えてください。

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