社会福祉法人の事務長とは?仕事内容を現場目線で解説
「事務長」と聞くと、
デスクで事務処理をしている人、というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実際の社会福祉法人の事務長業務は、かなり幅広いです。
会計、人事、労務、総務、設備管理、行政対応。
さらには職員面談や経営分析まで担当することもあります。
今回は、実際に現場で働く立場から、社会福祉法人の事務長がどのような仕事をしているのかを書いてみたいと思います。
1. 事務長の仕事はかなり幅広い
私が所属している社会福祉法人でも、事務長業務は非常に多岐にわたります。
例えば、日常業務だけでも以下のようなものがあります。
- 法人本部への提出書類作成
- 月次報告資料の提出
- 固定資産取得時の見積書・請求書提出
- 補助金関連資料の提出
- 修繕費発生時の書類作成
- 現預金残高報告
- 経理担当者の会計処理確認・承認
- 採用関連書類の作成
- 雇用保険、社会保険、退職共済手続き
- 勤怠管理、給与計算
- 経営会議資料の作成
- 職員面談
- 業者対応、設備修繕の見積依頼
ぱっと思いつくだけでもこれだけあります。
つまり事務長は、単なる「事務担当」ではありません。
人事、労務、会計、総務、庶務など、法人運営に関わる業務全体を横断して支える役割です。
さらに、人間関係の相談を受けたり、新しいシステム導入を検討したりすることもあります。
想像以上に「なんでも屋」に近い仕事だと感じています。
2. 人材不足との戦い
近年、介護業界全体で人材不足が深刻化しています。
昔は事務職でも比較的応募が多く、ある程度選考ができたと聞きます。
しかし現在は、そもそも応募自体が少ないケースも珍しくありません。
応募があっても、
- 条件が合わない
- 業務内容とのミスマッチ
- 給与面の問題
- 勤務地の問題
など、お互いの希望が一致しないことも多くあります。
特に地方や離島では、人材確保そのものが大きな課題になっています。
これはおそらく、どこの社会福祉法人でも共通の悩みではないでしょうか。
3. 現場と経営の板挟み
事務長という立場は、現場と経営の間に立つことが非常に多い仕事です。
現場からは、
- 賞与を増やしてほしい
- 人員を増やしてほしい
- 休みを増やしてほしい
という声が上がります。
もちろん、どれも大切な意見です。
しかし一方で、経営側には経営側の事情があります。
例えば施設設備の修繕費。
介護施設は建物や設備維持に非常にお金がかかります。
突然大きな修繕が必要になることもあり、支出が読みづらい部分もあります。
また、最終的な賞与率などの判断は施設長や法人本部が行うケースも多く、事務長だけで決められるわけではありません。
現場の気持ちも理解できる。
経営側の事情も理解できる。
だからこそ悩ましい場面が多い仕事でもあります。
4. AIで変わる可能性
最近はAIの進化が非常に速く、
「ホワイトカラーの仕事はAIに置き換わる」
という話もよく聞くようになりました。
では、社会福祉法人の事務長業務はAIで代替できるのでしょうか。
個人的には、「一部はかなり進むが、全部はまだ難しい」と感じています。
文書作成はかなり楽になった
まず総務関係の仕事は、かなり効率化が進みました。
例えば、
- 契約書
- 稟議書
- 事業報告書
- 規程改訂
など。
以前よりも短時間で土台を作れるようになっています。
これは本当に大きい変化だと思います。
労務はまだ難しい
一方で、労務は簡単ではありません。
職員ごとに家庭事情が違い、
- 外国籍職員
- 留学生
- 子育て中
- 介護中
など、ケースが本当に多様です。
制度だけでは処理しきれない部分が多く、個別対応が必要になる場面も少なくありません。
ただ、AIによってマクロ作成や定型業務の自動化がしやすくなったことで、業務効率化はかなり進めやすくなりました。
会計も実は奥が深い
会計も、外から見るほど単純ではありません。
同じようなレシートに見えても、
「どういう経緯で発生した支出なのか」
によって勘定科目が変わることがあります。
最終的には、
- 実態理解
- 背景理解
- 説明責任
が必要になります。
最後は人間力
経営分析も同じです。
AIが分析結果を出したとしても、それを現場に説明し、納得してもらい、組織を動かしていくには人間同士の信頼関係が必要です。
ただし、AIは今後さらに進化していくでしょう。
だからこそ、
- 人を増やすべきか
- 少人数で効率化を進めるべきか
- システム投資を優先するべきか
こうした判断も、これからの事務長には求められていくのだと思います。
まとめ
社会福祉法人の事務長という仕事は、単なる事務職ではありません。
人事、労務、会計、総務、設備管理、経営分析、職員対応など、多岐にわたる業務を担いながら、現場と経営の間に立って調整を行う役割でもあります。
AIによって効率化できる業務は確実に増えてきています。
しかし実際の現場では、「人」に関する問題が非常に多く、制度や数字だけでは解決できないことも少なくありません。
だからこそ今後は、AIを活用する力と同時に、人と向き合う力もますます重要になっていくのではないかと思います。
このブログでは、社会福祉法人の事務業務、労務、会計、AI活用などについて、現場目線で発信していきたいと思います。

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